これからの公共施設は民間との連携が・・・

ブログ(活動情報)
平成28年10月1日(火)14:00~16:30 仙台TKPカンファレンスセンター

「公共施設マネージメント」

~「拡充」から「縮充」へ、機能ベースの施設再編成~

講師:東洋大学客員教授 南学氏

多くの公共施設を抱える春日市において、今後の人口減少の中でも効率よく多くの市民に利用される施設であり続けるためには、公共施設はどうあるべきか、何が必要で、どのような手法が考えられるのか。大いに調査研究の余地があると考える。

南氏によると、公共施設には建前と本音があり、自身の横浜市役所勤務時代に経験した卸売市場建設工事を例に挙げながら、その施設の本質を理解することが大切であるとのこと。また、体育館、図書館、学校のプール、公民館、市民会館、子育て支援センターなど、多くの事例の中で、どれだけの市民が利用しているのか、そこにどれ程の税金を使っているのか、現状を調査理解したうえでの新たな視点での解決の重要性を説いた。福祉的視点や長期的な効果についての言及はないものの、多くの市民に利用される施設を目指すべきという氏の考えには共感する。そのために必要な事は、市民目線で必要なものを集め効率よく複合化することと、分散しているものを集約化することである。重要なことは利用者を増やし受益の偏りを解消することであり、市民の集う憩いの場にするかという事である。その効果と問題点を詳しく説明頂いた。

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平成28年10月2日(水)10:00~12:30 仙台TKPカンファレンスセンター

「公民の役割と変化の連携」

~「民間力」のトレンドをつかむ~

講師:東洋大学客員教授 南学氏

午前中に引き続き、午後からも南学氏の講義~

公共施設における民間の活用についてである。先の講義で、「重要なことは、利用者を増やし受益の偏りを解消することであり、いかに市民の集う憩いの場にするか」という問題について、集客が得意な民間の力を活用した指定管理者制度を取り上げ、その効果と問題点について詳しく説明頂いた。

民に限らず公共(サービス)施設の目的も、どれだけ人(客)を集めるのか。という事である。市民から集めたお金を使って限られた一部の利用者のままでいいのか、それともできるだけ多くの市民が利用する施設にするのか。自ずと答えは出る。そこで必要なのが複合化と公民連携である。公共施設の複合化は縦割り行政の再構築を意味し、公民連携は市民参加、市民協働の流れの中で、社会保障及び福祉など義務業務過多の現代においてはPFIや指定管理制度を利用した民間活用は当然の結果である。民間は事業を行い、利益を出して出資者に還元する。行政も事業を行い納税者へサービスとして利益を還元する。納税者への還元が一部利用者のみとなっているのであれば、民間の力を借りて還元(受益)者を増やすことを検討しなければならない。その上でその効果と問題点を今後の公共施設事業における監査及び施策提言に活かしたい。

 

  • 民間の集客ノウハウ
    • ・行くことが楽しい
    • ・世代間で楽しめる(セミナー・サークル・知り合い・友達)
    • ・求められる公共空間の作り方
  • 指定管理者制度と評価制度
    • ・運営責任(リスク)の所在の分担と明確化(リスク分担表の作成とその根拠)
    • ・施設の安全管理責任(リスク)の明確化(設計、構造、設備、経年劣化・・・)
    • ・雇用の確保と運営の安定化
    • ・公共性の担保
    • ・地元業者と契約する特約
    • ・包括的契約

 

公共施設管理計画、部局毎に管理される施設の一元管理評価基準、施設再編成と快適な利用環境を実現するデザイン、なども考慮しなければならない。

 

ちなみに、こちらは前の日に、減災都市戦略についての行政視察で伺った多賀城市の図書館です。となりには本屋、カフェそしてコミュニティセンターが設置されています。第三セクターの運営でどのような責任(リスク)配分になっているのかは調べていませんが、民間連携ならではのデザインで居住性の良さを高めています。

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コメント

  1. 民間の役割と公共の役割は異なります。
    1つ1つの施設(サービス)について慎重に検討が必要です。
    目先のサービスの向上ではなく、未来の春日市にとってどうあった方がいいか、
    深く考えていただきますよう、お願いいたします。
    あと、指定管理者制度には、ワーキングプアを生み出すというマイナス面があります。
    何事にも、メリットの裏側にはデメリットがある。
    広い視点での情報収集をお願いします。

    • コメントありがとうございます。民間と公共の役割は違う。私もそう思います。
      大切なことは多様化する現代社会に応じて、公共と民間を二分化することではなくサービスの目的と範囲を明確にしたうえで、公民の連携を深めていくことではないかと考えます。
      人口減少の将来、今ある公共の役割をすべて行うのは無理があります。だからこそ今、公共サービスを取捨選択しながら、市民との協働、民間との連携を模索すべき時なのです。指定管理制度で人の集まる場所を作り、新しいサービスを生み出せば雇用が増えます。どのような条件で指定管理者制度を導入するのか。指定管理者制度の導入はメリット、デメリット徹底的に情報公開して広く議論し決定しなければならないと考えています。ご意見ありがとうございました。

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