2019年4月21日 春日市議会議員選挙 候補者一覧を掲載しています。

6月定例会に出された意見書について

 6月議会で、安全保障法制の慎重審議を求める意見書が提出されました。

 

一人会派の私は、その意見書を個人的に解釈し、慎重に検討したうえで、その議案に対して反対を表明しました。

友人とその話をしたら、残念な顔をされたので、ここにその理由を述べさせて頂きます。長文です。

 

もちろん、

慎重審議を重ねて法案の成立をしなければならないのは当然であります。

 

表現だけを見れば賛成してしかるべきであるにもかかわらず、なぜ反対したのか。

 

意見書の一部を抜粋して掲載いたします。

 

戦後70年間、平和憲法のもと我が国が貫いてきた海外での武力行使は行わないという原則を大きく転換しようとしているにもかかわらず、政府の姿勢は国民への丁寧な説明や国会での徹底審議を避け、結論ありきで法改正を行おうとしています。

 集団的自衛権の行使を認める「新要件」には歯止めがなく、我が国に直接武力攻撃がなくても、自衛隊による海外での武力行使を可能にします。新三要件は、便宜的・意図的であり、立憲主義に反した解釈変更です。政府が、集団的自衛権を行使して対応しなければならないとする事例は、蓋然性や切迫性に疑義があり、集団的自衛権の必要性が認められません。

   国際平和支援法案では、自衛隊の海外派遣を国会が承認する期限を努力義務としており、国会審議を形骸化させかねません。

 政府は、憲法の平和主義、専守防衛の原則を堅持した上で、国民の生命、財産、及び我が国の領土、領海を確実に守る観点から安全保障政策を構築する責任があります。政府には、安全法制に関する国民の疑問や不安を真摯に受け止め、通常国会での改正成立にこだわらず、国会での審議を慎重かつ丁寧に進めるよう要請します。

(※蓋然性(がいぜんせい):ある事柄が起こる確実性や、ある事柄が真実として認められる確実性の度合い。)

 

とあります。

 

この意見書が提出された6月26日

すでに政府は6月の通常国会を安保法制議案の為に9月27日までの延長を決定しています。

政府はあくまでも慎重審議を行い野党と議論を深めたうえで国民の理解を得る方向性を打ち出しています。

この慎重審議の姿勢に野党は、歓迎するどころか、なぜか一斉に反発しました。

戦後最長の95日という会期延長に

 

「非常識」(民主党:枝野幸男幹事長)

「95日間も延長したら国会や党職員の夏季休暇が取れない」(民主党:榛葉賀津也参院国対委員長)

 

と、国民の生命と財産を守る重要な法案審議延長に、

子どものような言い訳で審議を何度もストップしています。

現在も、安倍総理の会期中のテレビ出演について、国会軽視と、審議をストップしました。

 

その民主党議員から提出され共産党が賛成した今回の意見書は、本当に慎重審議を望んでいたのでしょうか。

 

中身を見ていきましょう。

 

 政府の姿勢は国民への丁寧な説明や国会での徹底審議を避け、結論ありきで法改正を行おうとしています。

 

慎重審議を避けているのは誰でしょうか。タイトルだけで意見書を判断すると大きな誤解を招きます。

 

集団的自衛権の行使を認める「新要件」には歯止めがなく、我が国に直接武力攻撃がなくても、自衛隊による海外での武力行使を可能にします。新三要件は、便宜的・意図的であり、立憲主義に反した解釈変更です。

 

新三要件を掲載します。

 1) わが国に対する武力攻撃が発生したこと、またはわが国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これによりわが国の存立が脅かされ、国民の生命、自由および幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険があること

 2) これを排除し、わが国の存立を全うし、国民を守るために他に適当な手段がないこと

 3) 必要最小限度の実力行使にとどまるべきこと

 

2003年から2009年まで行われたイラクへの自衛隊派遣において、

日本は国際社会の一員として、サマワ(イラク)地区の平和と安定に寄与しました。

撤退の時には別れを惜しむ地元の人たちの報道を覚えている方も多いのではないでしょうか。

その時の活動では自衛隊は武力の行使が出来ず、

オランダ軍とオーストラリア軍に守られてインフラ整備や病院建設などの人道復興支援活動を行っていました。

他国軍隊が自衛隊を守ってくれなければ自衛隊の人道支援活動はまず出来なかったでしょう。

それに、もしこの活動中に自衛隊を守るオランダもしくはオーストラリア軍に武力攻撃があっても、

現在の法律では、我らが自衛隊にはオランダ軍をサポートすることも自ら武器をとって反撃することも出来ないのです。

 

日本の自衛隊隊員は、命を懸けて日本の隊員を守って戦っている他国軍を見捨て、

その戦闘地から撤退しなければなりません。

 

今回の法案は、

自衛隊隊員の命と、自衛隊を守る他国軍の為にも成立しなければならない法案だと私は思っています。

 

日本の自衛隊派遣は国連の安全保障理事会の決議によってなされます。

イラク派遣はイラク特別措置法という国会の決議によってなされました。

自衛隊の派遣は新三要件以前に国会決議という歯止めがかかっています。

そして、新三要件は自衛隊員とその協力体制にある他国軍の命を守る以外の行為に

歯止めをかけています。何をもって便宜的・意図的と表現しているのか不明です。

 

また立憲主義に反したとは、違憲と唱える憲法学者が多い中、

政府解釈で集団的自衛権行使を行うことに対して表現したものと理解していますが、

自衛隊そのものを違憲という憲法学者が自衛隊の海外派遣及び武力行使を合憲と判断しないことは明らかです。

違憲というのならは、裁判所に提訴して司法の場で争い、司法によって違憲と判断した後でなければなりません。

日本は三権分立制をとっており、司法・立法・行政それぞれの権限を憲法で定義しています。

司法の判断を待たずに立憲主義に反したとの主張こそ立憲主義に反しています。

 

しかし、これにはすでに最高裁の判例があります。よく言われている「砂川事件」です。

 

〈わが国が、自国の平和と安全を維持しその存立を全うするために必要な自衛の措置をとりうることは、国家固有の機能の行使として当然のことといわなければならない〉

 

この判決要旨は11文ありますが2文のみ掲載します。

 

〈安保条約の如き、主権国としてのわが国の存立の基礎に重大な関係を持つ高度の政治性を有するものが、違憲であるか否かの法的判断は、純司法的機能を使命と する司法裁判所の審査には原則としてなじまない性質のものであり、それが一見極めて明白に違憲無効であると認められない限りは、裁判所の司法審査権の範囲 外にあると解するを相当とする。〉

 

つまり違憲とするに明確でない限りは合憲・違憲の判断は出来ず、司法権の範囲外である。という事です。

 

憲法改正で明確にするか、国民投票で決めるしかありません。

 

そのような高度的難解な問題を、「立憲主義に反した解釈変更」と言い切った文言は適切ではありません。

 

次に、

 

< 自衛隊の海外派遣を国会が承認する期限を努力義務としており、国会審議を形骸化させかねません。>

 

国民の代表である国会議員による決議で決める。ことを、いたずらに審議をボイコットし引き延ばして、

紛争地域で命を懸けて平和維持活動・人道支援活動を行っている日本人の命を危険にさらすわけにはいきません。

いたずらに審議を引き延ばすことのないように、審議期限は国民の信託によって成立した国会及び政府にゆだねるべきだと思います。

国会審議を形骸化させないためにはより積極的に審議に参加し深く議論するべきです。

また国民の理解が深まるよう、<戦争法案>とレッテルを張ることや、<徴兵制>という言葉で国民の不安を煽ることはせず、

正々堂々と本質的な議論を深め国民の理解につなげなければなりません。

 

ちなみに、永世中立国のスイス、オーストリアでは徴兵制は国民の義務としています。

ロシア、中国、ベトナムなどの社会主義国家もありますが、韓国、イスラエル、台湾といった民主主義国家でも徴兵制はあります。

また日本人が憧れる北欧(デンマーク・フォンランド・ノルウェイ)も徴兵制度があります。

イデオロギーではなく国の歴史や存立状況によって存在しているのではないでしょうか。

民主主義の日本でも国民の多くが賛成すれば徴兵制になる可能性もありますし、

多くが反対すれば徴兵制にはならないという事ですから

マスコミに煽られない事のほうが大切だと思います。

 

話を戻します。

 

政府は、憲法の平和主義、専守防衛の原則を堅持した上で、国民の生命、財産、及び我が国の領土、領海を確実に守る観点から安全保障政策を構築する責任があります。>

 

もちろん、その責任は政府にあります。国会にもあります。

しかし、経済成長を果たし国際社会の一員になったのは日本だけが頑張ったからではありません。

戦前の体制を反省し、まじめに働き、国際社会と向き合い、国際経済、国際平和に貢献する日本を、

国際社会が受け入れてくれた結果に他なりません。

日本だけが国民の安全と財産を主張するだけでいいのでしょうか。

 

この意見書には大切な一文が載せられておりません。

 

 『 国際社会の一員として、世界の平和と安定の為にも 』

 

このことを前提として、私は自衛隊の海外派遣を支持し、

個別的自衛権及び集団的自衛権の行使の法整備を願うものであります。

 

 

 私が反対する理由

・慎重審議をしないのは野党である

・廃案ありきで国会審議を拒否しているのは野党である。

・新三要件には歯止めがある。

・立憲主義に反していない。

・国際情勢を鑑みず国内の事だけ言及している。

以上の理由から、今回出された意見書に反対致しました。

 

現在国会で審議されている安保法制については、

様々な意見があることを承知しています。

法案の賛成・反対に関わらず、多くの人が戦争に反対し、

戦争を起こさないための議論でもあると認識しております。

だからこそ、戦争法案などとレッテルを貼ることなく、

一国の首相を呼び捨てにするなど感情的にならず、

「死ね」とか「○○」とか下品な表現をつかわず、

論理的に戦争をしない、させないための議論をお願い致します。

私たちが持っている平和憲法に関係なく他国が日本に攻撃をしかける可能性は否定できないのですから。

 

航空自衛隊のスクランブル(領空侵犯に対する戦闘機の緊急発進)数は冷戦時に戻っています。

中国によるベトナム・スプラトリー(南沙)諸島侵攻は1988年、

フィリピン・スプラトリー諸島侵攻は米軍撤退後の1995年、

中国はそのスプラトリー諸島に軍事基地を建設し、

尖閣諸島はもちろん沖縄の領有権も主張し始めています。

国際社会は、安保法制に反対していません。

いつも非難する中国や韓国にしても安保法制に反対していません。

なぜでしょうか。

 

 

私は、

政府は、日本が国際社会の役割を果たすため、

安全保障法制に関する国民の疑問や不安を真摯に受け止め、

国会での、国民の理解を得た審議を、慎重、丁寧かつ迅速に進めるよう要請します。

かわさき 英彦

タイトルとURLをコピーしました