参議院選挙から一夜明け、多くのメディアの予想どおり、自公与党は過半数を割り込み、国民・参政の躍進という結果となりました。候補者の皆さん、17日間の選挙戦、本当にお疲れさまでした。そして当選された皆さん、おめでとうございます。
今回、台風の目となった新党の躍進に対して、かなり強い批判の声が上がりました。
日頃から「共生」や「多様性」を掲げている知識人が、特定の政党に対して排除的な発言をする様子には、これまでにない違和感を覚えた選挙戦でもありました。
既存政党による国政への閉塞感。
だからこそ、「一矢報いたい」という新党への期待が高まりました。
しかし、その脅威を感じた側の過剰な反発が結果的に新党の知名度を高め、投票率を押し上げ、大躍進へと導いたのなら――それは皮肉な結果だったと言えるでしょう。
デモクラシーは「ダイアログ(対話)」である。
北欧でよく耳にするこの言葉の通り、対話こそが民主主義の根幹です。
ただ、選挙ではニ項対立を明確にしなければ人の心を動かすことはできないという現実もあります。
残念ながら私たち大人は、政治という場で「正しい言葉を交わし、心を動かし合う対話の訓練」を十分に積んでいません。
意見の違いを受け止め、対話の中から合意をつくり、新しいアイデアを生み出す力。
それを、家庭・学校・地域といった日常の場で子どもの頃から育むことこそ、日本で民主主義を根づかせる近道だと思います。
ムカつきながらでも、モヤモヤしながらでもいい。
語り合えること、それ自体が民主主義の出発点です。
その価値を、私たち大人がまず体現し、子どもたちに伝えていきたい。
そしてもし自民党が再び大連立に踏み込むなら、解党の危機を招いた過去を思い出すべきです。
少数政党が協働して政権を担い、対立を対話に変えていく——幸福度の高い国々が実践している政治の形にこそ、未来のヒントがあるのではないでしょうか。





