「どうなる?どうする?日本の政治~都議選から、参院選の展望」
令和7年6月23日(月)20:00~22:00 オンライン勉強会(無料)
主催:輝け!議会 対話による地方議会活性化フォーラム
参議院選挙を目前に控え、都議選の結果を踏まえた今後の国政のあり方を考えるオンライン勉強会を開催しました。ゲストには名古屋大学名誉教授の後房雄先生をお招きし、日本の政治制度と選挙制度の課題、そして今後の政治動向について熱い議論が交わされました。
ご参加くださった皆さま、そして後先生に心より感謝申し上げます。
準備段階で「輝け!」の議員メンバーと話す中で、小選挙区制導入(1994年)の意義が意外と正確に共有されていないことに気づきました。特に若手議員は導入当時をリアルタイムで見ておらず、制度の根本目的を理解する機会が少なかったため、今回はまずその共有を主目的としました。
小選挙区制の最大の意義は、有権者が選挙によって政権交代を「選択」できるようになったことです。
2009年の総選挙で初めて本格的な政権交代が実現し、有権者が「政権選択」を体験したことは、戦後日本政治の大きな転換点でした。
参院選の位置づけ
参議院選挙は、政権選択選挙そのものではないものの、
- 与党にとっては「中間テスト」
- 野党にとっては「試金石」
という重要な意味を持ちます。各党は単なる「物価高対策」ではなく、持続可能な成長戦略と社会保障制度の設計を明確に提示すべき時期に来ています
主な議論ポイント
- 参院選における「一人区」の影響
- 1990年代の政治改革の意義と現代政治への影響
- 小選挙区制と比例代表制の長所・短所
- 野党共闘と候補者一本化の課題
- 大連立の可能性とリスク
- 自民党の過半数割れ時の政権運営方針
- 社会保障と財源確保の政策的明確化
- 有権者が政策選択できる民主主義の再構築
- 経済停滞を脱却するための大胆な政策転換
グループワーク:3つの政治シナリオ
後房雄氏の提案による3つの選挙後シナリオについて、参加者がグループごとに討議しました。
- 現状維持
- 大連立
- 新たな対立勢力の出現
各グループは2分以内で結果を発表し、大連立と小政党の役割を分析、議員内閣制の可能性を提案、政治家の誠実さと税制改革を提起、強力な野党の必要性を強調、与党交代の選択肢拡大を主張など、活発な意見交換が行われました。
ディスカッション・講評
1. 日本経済の低迷と変革の必要性
後房雄教授は、過去30年のゼロ成長と経済地位の低下を指摘し、
「自公政権以外の勢力に一度政権を担わせてみることも必要」と主張。
大胆な政策転換を促しました。
2. 政権交代と政党の責任
政権交代を可能にする政治システムの重要性、
そして政策パッケージによるマニフェスト選挙の再生が議論されました。
「不信任案提出による政権選択の機会」など、野党の戦略面にも意見が集まりました。
3. 地方政治と民主主義の深化
地方議会の役割、少数政党の結集、二院制の意義なども議論。
「地方独自政策の推進とエネルギー課題」についての指摘がありました。
今回の勉強会は、単なる選挙分析にとどまらず、「政権交代のある民主主義」をどう再構築するかという根源的テーマに光を当て、地方議員・市民・研究者が対話を通じて政治の未来を考える機会となり、「対話から始まる政治再生」の第一歩となりました。




後先生と武雄図書館をご一緒した時の一コマ


